「文語の苑」設立7周年記念パーテイが22日午後5時半から帝国ホテルで開催された。
サイトのアクセスが13万を超え、文語復興の兆しがみられることは日本人の教養や大和ごころを呼び戻す大きな力になるのではないかと関係者一同大変やりがいを感じている。
私も日頃高校で古典漢文書道を教えていても、こうして日常に書く文章はもはや文語を用いてではなく
、簡単な現代仮名遣い、用語に限られ、とても文語は使えず申し訳なく思っている。
日記に文語、旧仮名を使われているマイミクの織田多宇人さんやそのお仲間には及びもつかないが、若者、特に小学校低学年の内に古典漢文
の教養を身につけさせるよう、これからも運動していきたい。
自国の国語の力が身に付いていなくて、どうして世界に伍して出て行くことが出来ようか。
広い視野を持てるようにするには、国語の深い教養を育てる必要がある。その時だけ通じる言葉で、感情をむやみやたらに表現するだけでは
政治も文化も大人になれない。
「風呂、飯、寝る」の3つの言葉だけで日常足りている言語生活の情けなさを戦後暫くの内はマスコミも取り上げていたが、最近では政治家
もこの程度になり下がって、国を思う深謀遠慮もなく、国家が危ういと感じられるのは、日本語の教養のまずさから来ていると言えよう。
さて、会は筑前琵琶の上原まりさんの「敦盛」(平家物語、平敦盛が熊谷次郎直実に討たれる場面)で始まった。さすがに第一人者の語りかけに短い時間であったが聴き惚れた。
この段はかつて私が中学2年生の古典を担当した時に全員に暗誦させた段だ。中学生は覚え方を教授すると、喜んですぐ覚える。
とても懐かしく、文章も次々に蘇って美しい日本語はまず暗誦することから親しむと、いつでもこうして内側から沸きあがってくるものだと
嬉しかった。
発起人代表の愛甲次郎元クウエート大使は挨拶の中で「後期高齢者の自分たちの亡くなったあとの世代、団塊の世代にこの活動の後を継いで
貰いたい。それから若い世代へと広げたい。」と述べられた。
団塊の世代の私たちもすでに基礎的勉強がほとんど出来ていないので冷や汗ものだが、なんとか踏ん張って伝えたい。
会の後、愛甲先生を含め、5人でラウンジの奥のバーで一杯。今日の会の成功を祝した。さすがに世界を歩いて来た方達ばかり、飲み物が違う。
洋酒を嗜むかたならご存知だろうけれど、私は一から教えて戴く。
私には「ベネデイクテイDOM]、を選んでくれた。O先生は「ドランヴィ」、豪傑の彼女は「シャルテルーゼのグリーン」という具合だ。勿論おごちそうになった。おつまみも何もなく、お酒と会話を味わう。(大いに盛り上がった会話の中身もご紹介したいが、またの機会に)
それを小さなグラスに生(き)のままで少しずつ香りを口の中で楽しみながら飲み、お水をグラスに戴いて、時々代わる代わる口にする。
(付記)
隣の方から煙草の煙が。一同吸わないので、何気なく振り向くと「あの」野村佐知代さんだった。整形で綺麗になっても、大きな椅子からは
み出している処は貫禄があった。
会場で飾られていた可愛いブーケの一つをもらってご機嫌で帰って来た。
あんまり気分がよかったので途中でビールを一本だけ飲んで帰った。(これさえなければ私も)