『武士の嗜み』にふれて、日本文化を紹介する
武蔵野大学「日本の伝統文化を体験学習する」(前原祥子教授・家政学)講座で剣道の実技指導。
講師として招かれて 1クラス50人で2クラス担当
※2005/6/6、2006/6/6、2007/6/4、2008/7/21(フォトアルバム) 講義開催。
古来、健康法として工夫されてきた呼吸法は、それに精神性を加味して、武道や禅の修行法としても取り入れられていきました。特に、一瞬の隙が、命取りになりかねない武士にとって、武道修業の基本でもありました。
呼吸を整えることにより、「肝を練り」「精神を鍛え」「氣」を出し、いち早く、相手の氣配を感じ取り、先の先を取って攻撃したり、自分を制御することが可能になったのです。
また呼吸を練ることによって、武道の修業に役立てるばかりではなく、身のこなし、立ち振る舞いすべてにおいて、流れるような、無駄のない動きができるようになります。 現代人にとっても、生き残りをかけた、激しい社会に身を置いているわけですから、ある意味では、戦場にいることと同じです。自分に勝つためにも、健康な身体を手に入れるためにも、個人の修養の結晶を紐解いてみる必要があります。
武道における呼吸法では 【 丹田を意識する 】 【 鼻呼吸を行う 】 ことが重要です。
武士の正座 | ゆっくり立ち上がる |
晴眼の構え | 連続技 |
武器(獲物)の種類によって取り扱いがまったく異なるので注意を要する。
竹刀、木刀、真剣、その他長短、形状による違いなど
@右手(めて)が身体の前方、左手(ゆんで)が手前になるように握る。
A右手3分、左手7分に力の配分を整えて握る。
B両手とも、小指、薬指、親指で握る。特に小指、薬指に力を入れて、しっかり握る。
C片手で振り上げる場合、左手で握る。
D振り下ろすときに、「手の内」掌をより内側に、ぎゅっと力を入れて、握りなおす。昔は、この動作は雑巾を絞るように、と教えた。
E両手で竹刀、木刀を振り上げるとき、右手は添えるつもりで、左手で頭の上、掌ひとつ分空けた高さまで持っていく。この動作を「振りかざす」と言う
F両手で自分のへその前、掌ひとつ分空けて、竹刀の先(剣先)をあいての鼻からのど元にかけてつける。これが、晴眼の構え。
Gこれに足の動作を付ける。前後、左右ができたら、斜め方向の動きもスムースに移動できるようにする。
H足と竹刀を持った手の動きのバランスをとる。
I進退の歩みは「すり足」原則として、右足が前。技を続けて出す場合や、姿勢が変わる場合はまた別の形をとる。
J飛び込みの素振り。
K継ぎ足での連続技の素振り
@武士の正座
Aゆっくり立ち上がる意味
B蹲踞の姿勢
C打突の部位
D晴眼の構え
E打ち込み
F早素振り
G連続技
「えい」「めん(面)」などが基本。「やあ」とかけたり、流派によっても異なるが、気持ちを集中させるためにも、氣合は大きく発したほうがよい。丹田を引き締めて、腹から声を出す。喉から出すと、すぐ息がきれて、運動できなくなってしまうので、注意が必要である。
武道の稽古は「礼にはじまり、礼に終わる」といわれる。武道で、礼節を取ってしまったらそれは、ただの打ち合い、スポーツでしかない。命をかけて戦う手段の形であっても、真剣勝負から練られた無駄のない、合理的な、したがって美しい形である。これを崩さず、行うのが、上達の近道である。