愛甲次郎(元クウエート大使)代表幹事の文語文を後世に遺す教育活動の設立7周年記念パーテイが虎ノ門の日本財団会議室で開催された。
懇親会に先立つ講演では芳賀綏東京工業大学名誉教授のご講話があった。
例えば童謡「春の小川」の歌詞「春の小川はさらさら流る」が正しいのに「さらさら行くよ」になっていること、とか島崎藤村の「ヤシの実」の「〜八重の潮路を(やえのしおじを)」が正しいのにNHKテロップにも「〜八重の潮々」と間違ってでてしまい、指摘しても直さない。など、忘れ去られた日本語の回復の大切さを説かれた。
言葉が皮膚を通して、懐かしくからだに入り込んで来なければ、もはや日本語を学ぶのに外国語を学ぶのと同じ姿勢をとることを、日本人としておかしいと思わなくなってしまっている現状を述べられた。(写真の薄い色のスーツが芳賀先生です)
後継者の育成の大切さ、国語学者、関係者、教師、それぞれが実践をしていくしかないことをあらためて確認しあった。
私も、読売カルチャーの荻窪教室で1月からはじまった宮本武蔵の「五輪の書を読み解く」講座の講師として微力ながら文語教育の実践のお手伝いをしていくつもりだ。
さて、2日のパーテイに武道の仲間(といっても彼は合気道の先生。年齢だけが後輩で活躍は第一級)を誘った。
彼は40年近くの知り合いだが、親しくなったのはごく最近。
その彼が昨年8月に他の仲間から私の教室の話を聞いてきて、私たちの勉強会に誘い、彼は大いに得るところがあったらしい。それから私に密着している。
そのとき、彼のお母さんの具合が悪いことをふと漏らしたので、その場で夫が彼を通してお母さんの健康状態(具合の悪いところ、心配なところ)を診たことで、気の力を信じて、お家まで行って私たち二人で手当するという縁があった。
1回の出張でお母さんはすっかり良くなられて感謝された。(リハビリの必要なところはお母さんにやってもらうしかない部分はあるのだけれども。)
彼が、是非教えて欲しいと言ったこと。
それは誰にも言えなくて、でもずっと掴んでみたかったこと。
「気」を体感する、ということだった。(合気道なのにねえ〜といってしまえばおしまいだが。古武道の合気ではないので、現代のスタイルでは無理なのだ)
そこで、私の教室に初めて来て、「気」は見えるもの、一度で感じることができるもの、を体感してもらった。
それから毎日の彼の自主練習が素晴らしい。
毎夜欠かすことなく、仏間で15分以上、家族を入れず、私の言った通りの呼吸法で瞑想をした。平均1時間。始めて20分ごろから何か変わる、などと報告や質問はメールで来た。
朝、6時前頃に朝稽古に(教えに)行く、といってはメールが来る。すぐ返事をすると、「先生も朝が早いんですね〜」と昨夜の瞑想がうまくいったことを書いてくる。(私は貴方に起こされたのよ!)
さすがに30年に余って合気道をしてきただけのことはあって、のみ込みが早い。
しかも、すぐその気になる。(気の世界では、行き過ぎると困るが、まずこれも大切)
2日のパーテイで、彼は次々と、どの人が気が出るか、それはどんなものか、得意になって私に説明した。(勿論、他の人にはわからないように) これがわかると、どなたとどういう付き合いをすればいいのかわかって便利ですねえ〜だって。
自分の仕事のために、とても多くの人と名刺交換をして、お近づきになれたこと、これからの彼の仕事に大いに役に立てられることを、これも手放しで喜んでくれた。
あんまり、いい気になると危ないのですが、まあ、今日のところはいいでしょう。
彼の良いところ、進歩の早いところ
@感動を素直に受け止める
A何十年もやってきて、その道で先生であっても、疑問は必ず解決する姿勢で人に学ぶ。(前から知ってる人だった、女だったなど関係なく)
B体感しないと何度でも練習を惜しまない。
C一度にたくさん欲張らない。
Dとにかく、できることからやってみる。
去年の8月からちょうど半年目。彼は相手の頭から立ち上る湯気のような気を見ることができるようになった。
手のひらの労宮の感触はますます強くなり、自分の手のひらからも感じるだけではなく、湯気のようなもの、いろいろな色を見、圧力ばかりではなく、熱、密度、などを体感できるようになった。
合気道という下地があるとはいえ、毎日の呼吸法から、座る、想う、没頭するということの実践を通して順当に彼の求めるものを手に入れてきたことは見事という他はない。
帰りに彼に「いつでも、どこでも自分の気を飛ばしている人は気に関しては素人なのよ。本当に気がある人は人前に出るときには自分の気配を消しているのよ。今日の私のようにね。教室では別でしょう?」と言うと、彼は「あっ」と顔を改めた。
急いで「消しているのと、はじめから無いのとぐらい、見分けがつきますよ〜」とにこにこして言った。
パーテイでは彼はウーロン茶。私はビールをコップ1杯弱。大酒のみの私たちが、「さすがねえ〜」、とお互いに笑った。
また彼と楽しいお酒を飲みに行くとするかなあ。
農家の息子の彼は広い畑を朝と週末やっている。
でも、ちゃんと彼を立てて、息子3人、舅、姑に囲まれて農業も手伝い、小学校の先生をしている彼の奥さんが一番偉い!
あ、そうそう、下仁田葱、届かなかったじゃないの〜(笑)