呼吸法講座と新刊書出版経緯

「倫子塾の呼吸法講座」 そうよう (2006年5月10日 初版)

倫子塾の呼吸法講座

「大きくて見やすい!B5サイズ・写真470コマ・図版解説30点」
「講座テキスト、復習本に最適です」

武蔵野大学生涯教育センター主催の『サテライト教室』では、以下の3講座を、年間を通して開講しました。(平成17・18年度実績)
T、『はじめて学ぶ呼吸法講座』 前、後期に同じ内容の講座を2教室。年間4講座

U、『呼吸法を練る・呼吸法中級講座』 年間開講

V、『呼吸法を練る・呼吸法上級講座』 年間開講

各講座とも、大学の講座と同じ長さ、90分を講座1回を原則として10回で1単位。出席状況により、武蔵野大学生涯学習センター独自の単位が認定されました。『倫子塾』では授業の補講という意味で適宜『自由講座』を『サテライト教室』で開講しました。講座内容は中級程度。復習したい方、時々しか出席できない方、はじめてだけれども、ちょっとのぞいて見たい方向きでした。東京都公開講座においては、同程度のカリキュラムで、(時間構成は1日3時間5日間を通して実施します。計15時間で修了です。)平成8年度〜18年度まで実施の実績があります。

『 倫子塾呼吸法講座 』の教科書作成を望む声

『倫子塾』の呼吸法による健康講座は、平成17年(2005年)10月まで武蔵野大学『サテライト教室』以外では常時開講の態勢ではなく、学校や市民団体の講座依頼を受けて、出張し、特別講座を開講するという形式でした。

開講当初から、武蔵野大学『サテライト教室』受講生OBや東京都公開講座受講者OBなどをはじめとして、受講してくださった方々の間で、今後も健康維持のために、常時開講して欲しい、家でもこの呼吸法を続けて行きたい、という声がたくさんありました。

どの教室も定員のある関係上、この数年は希望する教室への入塾待ちに1年もかかる方まで多くなってきました。もっと進歩したい、続けたいと望む熱心なOBの方々はついに、平成17年10月、武蔵野大学『サテライト教室』受講生OB会を彼ら自身で立ち上げました。

幹事のひとり武永さんが武蔵野市内で週1回の稽古場を確保するために予約奔走し、武蔵野大学『サテライト教室』とは独立して、『倫子塾』常時開講のスタイルが出来あがりました。まだ『倫子塾』開講から日が浅いのですが、出席を続けているみんなが、どんどん健康になっていく心地よさを満喫してくれているようです。

それから同じ10月、JR東小金井でも出来上がったばかりの『東小金井マロンホール』で『倫子塾』が開講されました。
こちらは武蔵野大学『サテライト教室』を受講中の武蔵野女子学院中学高等学校保護者会役員及びそのOBの方達が『はじめて』を受講中から即活動を開始して立ち上げてくれた教室です。
このように私がみなさまから大変ありがたくも、パワーを惜しみなく戴いている状況です。
一方で、講座への問い合わせの中に、ひとりで出来る、わかりやすい『教科書』がないか、という声が多く聞かれました。受講生の中からも、自分でも講座の内容確認をしつつ学習を続けていきたいので、技の解説を中心とした『教科書』が必要だという声が強くなりました。
各講座ではその都度レジメを作成してお渡ししているのですが、それではまだまだ物足りない、内容も聞き漏らしてしまって残念だ、ということで、まとまったものとして『教科書』にして欲しいという声でした。

『教科書』であれば、諸事情で『倫子塾』を直接受講できない方も、受講生と同じ内容で学習する事が可能なので、是非必要であると望まれました。
以上のような経過があってこの教科書が作られることになったのです。

この本を手にしてくださったみなさまへ

『呼吸法による健康講座』という文字に目をとめてくださって、この本を手にしてくださった全てのみなさまに、まずこころから御礼申しあげます。
これをご縁として、みなさまが今よりもっと快適で、健すこやかな毎日を手に入れられますように願っております。
どのページから取りかかっても大丈夫です。是非、ひとつの項目だけでも実践してみてください。
健康を手に入れるには、薬も道具も特別な場所も高価な費用も必要ないことがよくわかって戴けるのではないでしょうか。呼吸法をちょっと頭の隅に置くだけで、あなたが大きく変わることを実感していただけると自負しております。

まえがき

私は、安田倫子さんほど才能に恵まれた人を知らない。 杖道では神道夢想流杖道の奥入証允許取得の五段で訪中団の日本代表を務めたと聞いている。  武道百般に通じて、剣道四段、居合道三段、太極拳指導に加えて、着物着付けの教授の資格もあるという。本業は国語、書道の講師で、国語問題協議会主催の漢字コンクールでは、第一位、そのときの第二位が前二松学舎の学長、全国漢文学会会長、中国学者の石川先生だったと聞いている。ピアノも何かのコンクールで一番だった由であり、歌を歌わせるとどんな歌でも、その場でハモってしまうという能力の持ち主である。みんな、人づてに聞いた話なので、他にどんな才能があるのか測り知れない。

私がお目にかかったのは鈴木秀天先生の気功の道場であるが、すでにそれまでに平成八年から東京都公開講座の呼吸法の講師をしていられ、健康法などについての著述もあり、道場に来られたときから、気の扱いにはもう熟達して居られた。

その安田さんが、従来は学校や市民団体の依頼を受けて随時呼吸法の講座をしていられたが、教え子たち中心の自発的な運動で、武蔵野市と東小金井で定期的な倫子塾を開講されることになり、それに当たって、教科書を作成された。それがこの本である。

読んでみると、なるほど人間の動きというものは、正確に解説しようと思うと、これだけの説明が要るものだと改めて感じさせられた。この厚い著作の中で、それを完全に説明し切ろうとされている。どの一行を除いて見ても、必ず、ここはどうしたら良いのだろうかという疑念が湧いてくるであろう。それほどに完全を期していられる。ここにも、他の人の及ばない才能と努力が見られる。

かって、ある不遇のうちに早世した天才への弔辞に、「ああ、何ゆえに、天は、彼に、才能を与えることかくも寛大にして、幸運を与えることかくも吝嗇なのであろうか、」というのがあった。今は人間は長生きする。安田さんの才能が開花する機会は今後まだまだあろう。現に、安田さんの今までの人徳は、今回の倫子塾の開講を生んでいる。倫子塾の今後の発展をお祈りしたい。

『なぜ気功は効くのか』(PHP研究所)著者 
元 タイ大使 NPO法人 岡崎研究所 理事長・所長  岡崎 久彦

あとがき

「生かされて生きる」わたくしには、とても大切な言葉です。

呼吸を変えることによって、新たな命を戴いたわたくしがここにいます。

平成元年の正月は乳癌の手術直後、病院のベッドで迎えました。
それから1年半の間、膠原病で手術もし、抗癌剤のため、下痢ばかりしていましたし、回復もはかばかしくありませんでした。助かる道を必死で模索する中で主治医の許可を得て、新薬をやめ、代替療法に切り替えていきました。
下痢は止まりました。代替療法のいいところは「これがダメなら、あれがあるさ」という気楽さでしょう。2人の叔母(ひとりはすでに故人)が、「スギナ」を採ってはきれいに洗って乾燥させたものを大量に送ってくれました。これは効きました。
費用もかからず薬も用いず、自力で取り掛かれるものが必ずあるはずだと冷静になったとき、自分が長い間学んできた仏教や武道の修行(業)法の一つである「呼吸法」にあらためて関心が向きました。

同時期に、ご自身も癌と戦いつつ、病める人々に、最も大きな生きる力を惜しみなく下さる、渡邉先生との出会いがありました。初めてお目にかかったとき、先生は何もおっしゃらなかったのですが、わたくしが治るのは五分五分だと診ているのが、心に伝わって来ました。しかし、瞬時にわたくしは先生の下で治療を受ければ、回復できると確信し、以後週1回先生のところに通い続けて今日に至ることができたのです。先生の深い慈愛のこころ、奥様の献身に対しても、わたくしは今までよく応える生き方をしてこなかったことが悔やまれます。この本が出来上がったら誰よりも真っ先に見ていただきたいと思っています。

復活してからというもの、「呼吸による健康法」で生き延びてきたことの喜びのお裾分けをしたくて、あちこちに呼ばれて飛び回っているうちに18年経ちました。

不思議な事に、自分のエネルギー(氣)、生きる気力、を周囲に差し上げれば差し上げるほど、それが高まってきたように感じています。

さて、武道は和歌の形で心情や教えを伝えることが多いので、わたくしも古歌に習って一首詠んでみました。

背と腹に息いき満ち溢あふれ笑ゑみ交かはす 呼吸こきうの仲間今日けふも健すこやか

それから、わたくしは武道を始めてから40余年、途中、呼吸法に切り替えてからは18年になります。

その間、自分の修業法、指導法を「これでよかったのか」と確認するために、常に現在ご活躍中の先生方のお教えを戴いています。学ぶ姿勢を忘れて進歩はないと考えているからです。

たとえば、最近では、愛甲次郎・元クウエート大使のご紹介により『氣道・真呼吸法』主宰鈴木秀天先生について(平成16年1月入門)毎週火曜日午後6:30〜8:00代々木『柳心館道場』を会場にして稽古中です。また、渋谷西野塾にて(平成17年11月入門)稽古中です。

日頃から親身になってご指導を戴いております各道場の先生方、先輩方にこの場を借りて深く感謝申し上げます。

この先もずっと、先達の教えを謙虚に学びつつ、日々の努力を怠ることなく、元気になる呼吸法を多くの方にお伝えしていけたらと考えております。
みなさま、今後ともよろしくご指導くださいますようお願い申し上げます。

みなさまの「わたしくしを生かしてやりたい」という、熱い思い、いつも本当にありがとうございます。

こうして自分なりに工夫してきた健康法のひとつである、呼吸の教授法の一端を今回まとめることができましたのも、みなさまの熱心な応援とお勧めがあったればこその賜物です。

心中より感謝いたしております。

末筆ながら、撮影やモデル、校正、資料提供など協力を惜しまなかった多くのみなさまに、あらためて御礼を申し上げます。なおホームページは『倫子塾』または『安田式丹田腹式呼吸法』と漢字で検索していただくとご覧になれます。

この本をお読みになられてのご意見などをメールでいただけましたら、幸いです。

お返事はできないかも知れませんが、必ず拝読し、今後の糧とさせていただきます。

メールアドレスはHPにあります。

最後まで目を通してくださいましてありがとうございました。

mail rinko@officerinko.com